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麗しい日に光を浴びて育った貴女へ
叶わないのは願わないから、願わないのは叶わないのを知っているから
殺めて果てる、自己満足だから何も言わないで
水面に映る記憶、ああ麗しい日々に帰りたい帰りたいかえしてほしい
すこしずつ、すこしずつ、酸素が塞き止められていく。ゆるゆると死の淵に落ちていく。
さらさらと崩れる甘い城、雪のように白く儚く簡単に失くなってしまう砂糖細工
君が終われる理由はない。君が泣いてもいい理由はない。君が狂える理由なんて、ない。
暗く沈む、溺れる、光りも射さない暗黒は全ての――生命の、始まり
血に塗れて、赤に染まって、狂ってゆく、くるってゆく。ありもしない光に手を伸ばして、千切れた空の欠片に願って、散ってゆく、ちって逝く。
わたしのために生きればいい。お前のすべてを、わたしのため使えばいい。そうやって騙し騙し生かせば、いつかきっとひとりでたてるよ。
約束が、ほしかった。踏みにじられるためのものじゃなくって、絶対にこわれない約束が。だけどそんなもの無いというなら、約束なんていらなかった。
いいこだねって、そんな風にいわないで。そんなのちっとも、うれしくない。だってそんな風にいわれたら、いいこにならなくちゃいけないじゃない。いいこになんてなりたくない。そばにいられないなら、わるいこでいいよ。だから、離さないで。
だれかがねがったきせきというしろいはな、誰の手にも戻らぬ麗しき赤い宝石。
永遠に奏でられない思いを抱いて、くるくると踊り続ける円舞。
まるで夢のような狂気を這わせ、笑いながら歌い続ける刹那の享楽。
息せき切って駆けていた、ぬいぐるみと小さな洋服を手に、可愛いあの子の待つ家に。
ただいまの言葉が聞きたかった、優しい腕が欲しかったのに。ああもう届かないあの人は間に合わなかった。
扉を開けた惨劇。いつもと違う雰囲気に気付けなかった、気付いてももう遅い。
助けて助けて助けてと叫んだけれど、救い上げてくれる手はなくて痛みばかりに泣きわめいた
赤い、あかい、アカ。事切れた娘を抱く男は笑っていた。遠く転がる幼子の人形を見つめて、涙に濡れた娘を抱きしめる。愛しいあの子は何処、縺れた娘の髪を梳いて呟いた。
明日一緒におはようを言うために、今日は一緒におやすみと呟く
かさねた手のひらのぬくもりに、月に映える翳りに、僕はすべてを奪われる。
僅かに聞こえた死を呼ぶ夢、加速していくのはそう私以外の
昼と夜の間に映る橙と紫は誰も知らない夢を見る
雨の降る丘に、独り、私は誰?
聖なる夜に願うのは唯あなたと共に在りたいと、それだけだったのに
雨夜の星に捧げよう、誰も知らない顧みられることのなかった唄を
見ないいらない触らないでわたしはひとりでいたいの、だれかなんていらない
闇の中独り揺蕩う、わたしは誰に会いたかったの
くちづけはなみだあじ、そう、おもわせて(かなしみよりもよろこびがほしいなんていわない)
叶えて、お願い、助けて――
奏でられた約束の歌、誰の為に響く
かわいたすなのにおい、あなたは、もう
嘘偽りを封じ込めて、ほんとうの、ほんとうに、愛していました
遠く夢を見る、あなたの夢路に通う夢。届かない、想うことすらも――罪。
愛しているとつぶやく唇、この声はあと何回きみに届くのかな。
そんな顔しないで、わたしはとてもしあわせだったの。あの人が生きているなら、それでいい。
囚われて、救われて、断ち切った。誘って、奪われて、自ら堕ちる――
いたずらに響く鐘の音が、二人を割くまであともう少し
いずれ流されてゆく前にせめて、(あなたへ愛を歌いたかった)
心ごと、なんて贅沢は言わないよ。ただそばにいて、その目に僕を映してほしい。
口づける勇気もないの(よごしてしまうのが恐いんだよ)
壊れたまま散るように、崩れたかけらにキスをした。
そばにいたいよ、なんてそっと言ってみた(届かないことは知ってるよ)
きみに送るラプソディ、かなしみに散った花をはじく
痛みを抱いて彼は果て、涯に向かって彼女は逝った
愛し憎しフロイラインに送る花束(棘があり毒を持ちナイフを添えて)
幸せの意味も知らなかったあのころ
切り捨てたものがどれほど愛おしかったのか、
焼き尽くした写真の灰を撒いた空
Paradise lost(とどかない空の向こうに)
落下する姫君にナイフを(血にまみれ踊り狂おう)
向日葵(はな)に恋した太陽(ひかり)のゆくすえ
壊れてしまえばいいよ、それで楽になれるなら(どうなっても愛してあげる)
貫いた、切り裂いた、未だ手に残り消えない感覚
そばにいてと縋りついた君が愛おしくて仕方ない
君のそばにいたくて、ただそれだけのことなんだ
見上げた空の高さに、瞬く星の遠さに、自分の小ささを感じてまた、君に会いたくなる
誰もが君の用意した手に縋って踊ってく
きみのためにぼくはいて、(ぼくのためにきみはある)
あなたのそばにいたいのだと気づいてしまった、こんな風に思ったのは初めてで怖くて怖くて仕方がない
愛していると囁いて甘やかして抱きしめて、けれど君は困った顔で微かに笑う
一度だけしか言わない一度だけ言わせて(ご め ん な さ い)
恋人にはなれないけど、愛されるわけにもいかないのだけれど、愛を騙るあなたなら一番そばにいられるよ
希望とは終わらない夢の中、あふれるほどの想いを両手に契った、欠片だけを残して散り急ぐ心
夢と知り、それでも伸ばした指をすり抜けた雨の夜のまぼろし
こんなにも人を愛せるなんてもう永遠にないと思うから、そばにいて
さよならと言った、それでもあなたは笑っていた――愛されているとはわかっていたけど、それでも愛しているのかはわからなかった。
深淵という名の世界があって。深遠という名のセカイに甘えていた。身勝手な僕を抱きしめて。
琥珀に抱かれて眠っていた、少女の僕と少年の私。砕けて落ちても指を絡めて眠れればいい。
くだらない想いのために生きて散った、それがしあわせなら君はきっとしあわせだった
ねぇ、かみさま。しあわせになれないのに、ずっと一緒にいられないのに、どうして僕らは恋をしたの?
そこにいるあなたを私は知らない(しあわせなんて笑顔なんてぬくもりなんて君には似合わない)
優しい歌が聞こえたんだ。まだ頑張れる、そう思った。
こころよりも、からだよりも、ただからだがほしかっただけ(そのうるわしくましろい)
くだらない夜に手をを添えて走る、いつかどこかの朝をつかむために夜明けを捧げるため
かわいいねって、言ってあげたら(それだけでもう真っ赤になった)
ほんとうのほんとうに愛してる?(だって嘘みたいにしあわせで)
壊れた空の海に沈みたいんだ(もう君を見ないでいられるように)
遠くどこか遠くへ、(まだ触れたられた記憶が残ってる)
幸せになろう、(君がくれた命と僕が示した道を重ねてかたくかたく結びつけて)
しあわせでしょう、しあわせになりたいのでしょう、ほうら世界はあなたのものよ
悲しくて悲しくて、嬉しくて嬉しくて、なにも持たずに駆け出した
退屈なんて知らないこの世界だけが全て!
ああうつくしいきみはにんぎょうのようだと、(けれどそんなものよりずっと)
あなたのそばにいたいと願ってしまった、離れてしまえば壊れてしまうそんな心はいらなかった、怖い怖い怖いどうしたらいい。
なにも言ってくれない君を見つめて、触れてもいいのかと心で問う。口にしなくてもわかりあえていると、本当にそう思っていたんだ。
君を殺せと誰かが言った
彼女の死んだ先に在る未来
おちた骨は白くあざやかでまるで狂気をひきたてる
リボンを結んでまことしやかな明日をつくる
死ねばそれまで生きてもそこまで。
夜の海に捧げた花
かなしいね、きれいだね
助けられなかったのだと笑う彼は白く白くそして限りなく青かった
ゆらゆらと揺蕩う水の上で見た月は優しくもなく嗤っている
足先にしのびよる冷たさ
あなたのためにと歌うことはすべてわたしのためだから
なんでもする、と誓って触れただけ(決して手に入れたわけじゃない)
いっそこの手でと握りしめた手のひらは滑稽なほど震えていた