【長歌百題】


100全てを使うのが大変と言う方は、10づつの句切りでお使いください。 その他の使い方は、全体の使い方と同じです。

001:誰にも見せないで私だけを愛して檻の中で
002:鎖を巻いて叩きつけて君は僕だけの人形
003:愛しているのだから一緒に死んで
004:誰のものにもならないのだと羽ばたいた君は今何処にいるの
005:出会うことがなければ思い出すこともなかったのかもしれない
006:わたしの手を引いて、連れていってくれると言ったのでしょう
007:夢にまで見たのは朧に霞む幻なんかじゃない
008:切りつける痛みも君を守ると思えば耐えられた
009:全てを微笑みに隠して背負う君の背中は傷だらけだった
010:闇の中で触れた温もりが偽りだとしてももう離れられないくらいには愛しているんだ

011:朝靄煙る紫の野に、振り向いた君の肌の白さが懐かしい
012:高く昇った金色と青天に眩しさだけを覚えるのは闇に慣れた心の所為
013:黄昏に滲む影、惹かれるのは溺れているから
014:軽やかに駆ける、夜闇の中、独り
015:明けた空は涙に濡れた僕を救ってはくれないんだ
016:浮かぶ月に願いをかけた、君がいつまでも輝いているようにと
017:目に染みる光りに怯えて闇へと逃げ込んだ
018:君と見た朝焼けは、世界で一番綺麗だった
019:逃げ出した白薔薇の野に、降り注ぐ星明かりが照らすのはこの体を蝕む罪
020:誰が決めたんだろう、夢から覚めてはいけないなんて

021:覚えていてくれなんて言わないから、唯これを僕の代わりに
022:わすれてしまって心の奥に、閉じ込めておきたいと願っただけなの
023:届かないと知ってはいても、想うばかりに痛みはつのる
024:空に浮かぶ月のように美しく、万人を照らすのは優しくて苦しい
025:綺麗な思い出だけを持っていて、もう触れることはないだろうから
026:なにもかも捨てて、あなたの腕に飛び込みたいと確かに願った
027:綺麗だよ。誰よりも綺麗だ。だからその憂い顔は、どうか晴れないだろうか
028:悲しみも喜びも、心を擦り抜けて届かない。あなたがいなくなってから、私の心は空っぽ
029:さようなら愛しい人、僕の命をかけて君の幸せを祈ろう
030:そして世界は誰の願いも叶えないまま、栄枯盛衰を繰り返すばかり

031:助けて。あの子だけでも助けてください、この身はどうなっても構わない
032:犠牲にされたのは朽ち果てる体と自由
033:永遠と言う毒を飲み、屈従に堪えて願うのはひとつ
034:さながら悪魔のように、嗤い貪る永久のひととき
035:解かれた帯、鳴き声と散る花は巡らない
036:救われた幼子は楽園に生きる、人の生も知らず
037:囁きに惑い結界を越えればそこは地獄か
038:蝶の悲しみ、制止の声も聞かずに駆け出した先
039:苦痛を終わらせるために安らかなる死をあなたに捧げよう
040:花と月が歌う一つの物語は終焉を迎えた

041:引き裂かれた、つないでいられなかった、あなたを永遠に探し続けよう
042:いつもいつも待っているばかり、この想いは誰にも負けないのに
043:笑顔をつくりましょう、あなたのためだけに美しくかがやきましょう
044:いつか離れるとわかっていても、触れずにはいられなかった。抱きしめた温もりは永遠と知った。
045:愛おしさを奏でる、傍にいると言う事実だけが生きている証になる
046:誰よりも一人を守ろう、ただ一人を愛することができない代わりに
047:月が顔を出した、逢瀬の約束はもうすぐ
048:毎夜夢に見る、悲鳴と哀しみの雨が降る、繰り返し苛む記憶から救い出して
049:こころを渡して、からだを失くして、ひとみを奪われ、手に入れたもの
050:ひっそりと愛することだけ、許されなくても構わないと秘めた

051:さいごばかり見つめて、最終的には花のように散った
052:あなたを馬鹿だとは思わない、哀れな人とも思わない。最高に幸せな人生だったと。
053:私は祈る、花と散った儚い命が露と消えた私のあなたが永遠であることを
054:春が過ぎ夏が過ぎて秋が訪れ、冬を迎えてもう一度季節が巡れば
055:傍にいる幸せを感じたいと、雪の上に横たわって空を見上げた
056:冷たい心に蝕まれていつの日か、大好きだったことさえ忘れてしまうの
057:遠く滲む空、高く映えて届かないから大嫌い
058:一羽の鳥が飛んでいく、虹を抱えて空を飾り立てた
059:約束の日、ひとりきりで膝を抱えて迎えた
060:目を閉じて思い出す、至福と光。ああもう独りなのだと思う絶望に染まって、雨の中に沈む。

061:定められていた滅びを招く。まだ望んでいるかも知らないのに。
062:意思を持たず光を知らず、ただ血を浴びるだけの日々
063:罪悪感なんて知らないままでいればよかった、疑問を持たないほど幼くはなかった
064:愛に縋って殉死なんてキレイゴト、笑いながらいつも片隅にあった事実
065:束ねた糸を絡ませて、操るのは人の生死。解す意図に垣間見る、刹那の輝き。
066:美しいもの、愛らしいもの、世界は滅ぼすには忍びないと知った日
067:光を得た、心を得た、全て失っても手に入れたことは真実
068:耐え切れなくなったまま、偽りの救いに手を伸ばすこともできずに
069:ああ、綺麗なものに包まれて死ねたんだと理解する。後悔なんてしていない。
070:綻びもまた天の意志か、紡がれた糸を引き裂くのは誰

071:守られるばかりではいけないと思いながら、震える足で大地に立った
072:この身を捧げても構わなかった、愛されていると言う事実さえあれば滅びても
073:二人でいたいと願っていたのに、引き裂かれるくらいなら、忘れてしまえばいいの?
074:無垢な光、歌声の導く安寧から飛び出した
075:悲しみを纏う空、喜びを滲む海
076:凄絶な黒は棘を纏い自らをも傷つける
077:空を見上げて、朱を追い越し、いつか羽ばたいてこの腕に抱く
078:余裕と諦めよりも恐れと混乱を纏う、そのほうがずっと綺麗
079:揺らめいて誘い業火に落とす、堕ちた先は地獄のユメ
080:愛に溺れて目覚めた、寒く暗い場所あの人はいない

081:紅の海に捧ぐ、鎮魂を願う歌の意味
082:祈りの日、優しい人が込めた思い。解き放たれた先に未来はなかった。
083:誰かがやらなくちゃならないことなら、誰がやってもいい。だから、私が手に掛ける。
084:ありがとうと笑う、時を止めたあなたに追い付くまでは悲しんでいてもいい
085:見ていることしかできない歯痒さばかりを共有して
086:叶えてやりたいと願ったのは、救われない結末に向かう道じゃなかった
087:幼さの意味を知っているから、迷惑をかけないように。ただ全てを見つめて刻むだけ
088:幸せを厭うように、成長してはいけない。素晴らしい明日をその手にするまで。
089:一言いわせてもらうなら、馬鹿野郎と叫びたい
090:記されたのは優しい人たちが紡いだ悲しいお話

091:静かに押し寄せる閉塞感に、ゆっくりと息ができなくなっていく
092:広い空に憧れて、自由に飛ぶ鳥に恋をした。共に飛ぶことはできなくても止まり木になれたら。
093:孤高であるから、さわらないで。一人が寂しいだなんて言ったことはない。
094:綺麗なものだけを拾い集めて、生きていけばきっと最期に笑って逝ける
095:閉じ込められた狭い箱庭の中で、でき得る限りの光を纏う
096:華やぎに身を任せ、夢を売り光に笑う。そうして、これからも永遠に。
097:闇の中に溺れて浮かび上がるのは赤い色、囚われて逃れることなどできない
098:花びらが散る、雪のように。瞬く星屑は炎、焼き尽くすまで溶けはしないで
099:明日に見えるのは銀月の影、無限に広がる未来と言う名の足枷
100:崩壊は光を纏い、冷たいかけらの証を抱く


連綿と続く糸の先、絡まりあい縺れてそして解れる。行く末は、闇の中。